『回遊と伏流』 言葉の展覧会836

aiueokaki2010-01-03

意識の底で
今という
見え隠れするわが身の拡がり
自ずから浮かび上がる時間と
その根拠を問うて
混沌からの予兆を受けながら
根源に立とうと数十年
あちらの場所探し
そこは底
生命が生じる臨界点
言の葉に内包されている深海のあたたかさ
あるいは冷めたマグマの表面に薄っぺらくついた土
書くとは
いったい
回遊する言葉を拾って
内へ内へ
掴もうとしても掴めない詩の流離
自ずから浮かび上がる時間と
伏流する詩
もうすでに死を包んでいる




※『回遊と伏流』たかぎたかよし(霧工房)を読む。たかぎさん、本をありがとうございました。