『大都会に集まる』 言葉の展覧会843

雑踏に交じって
ぼくらはうろうろと歩く
あっちの店こっちの店行き交う男女を眺めながら
群衆の中をぶつからないように歩く
うようよとざわざわとにぎわう
大都会に吸引されて



こんなに賑やかだけど実はさみしいもんだ
何かを失ってしまってさ迷っているひとや
些細なことで言い争っているひとたちが
ほら、泣いているひともいる
食うものに困っているひとだって
でも
笑っているひともいるよ
楽しんで幸せだなっていうひとだって
そう千差万別さ人々は
都会はそんなひとたちをごちゃごちゃ集めている



こんな大都会も
数千年前はほとんどひとはいなかったんだよ
原野と川だけで
でも今 こんなに繁殖してしまった
ぼくらの人類
   


ひとは食うためにしゃべるために都会を選び
見るため聞くためにあちこち動き回り
匂いをかぐために交わるために
大都会に集まってくる
この大阪はおもろい街だ
ぼくらはビールをキュッと飲んで
熱々のたこやきをほおばる
あーーっ
うめ〜うめ〜 鉢植えの
梅の蕾がネオンに彩られ
梅田の夜はふけゆく