『ドーン』 言葉の展覧会838
この世界でたったひとりの
かけがえのない私
と言っている間に
がんじがらめになって行き詰ってしまった
ドーン
私ってなにもの?
物語は20年後の2030年代
なお続く貧困、暴力、差別、戦争、破壊・・・・
そこから今を振り返る
ドーン
私を
風通し良く使い分け
生きやすくつくらねば
ドーン
生き延びようとする私の戦術
分人主義
多数の私に多様な私
とにかくいろんな私
対人関係ごとに私の個性をいろいろ変え
多様性をもつ私
ドーン
私の分人ときみの分人との
出会い
これは末永く
ドーン
かくして私の再生物語は
始まり
ドーンと
夜明けが来る
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※『ドーン』平野啓一郎(講談社)を読む。
「唯一の個性にこだわって何か一つの失敗で人生が終わるような仕組みは、システムとして良くない。自分の中で『分人』をデザインすることが、生きやすさにつながるのだと思います」
「好きな人といる時間が長ければ、その表情(分人とは顔の表情らしい)をしている時間が長くなる。それがその人の『個性』につながる。誰と一緒に生きていくべきかということが、大切になってくる」
その言や良し。