「『決壊』」言葉の展覧会634
もし人間の遺伝子に
悪
が組み込まれているとしたら
もし人間の環境に
悪
が大半を占めているとしたら
誰でもいいから殺したかった
残忍に虚無的に
自分の分身が殺人を犯す
人類が連鎖的に殺人を犯す
決壊!
ガシャーーーンと崩れる人間関係
壮絶な泥沼
幸福を踏みにじり人間を虚悪の獣に
炸裂する地獄絵図
「けっして許されない罪」が
闇の果てで宙づりになっている
*
※『決壊』平野啓一郎(新潮社)を読む。うーむ、うーむと唸りながら読んだ。
※※今日は終戦記念日。いや敗戦記念日。いや解放記念日。
毎日新聞を風呂屋で読んでいると野坂昭如が、被害的な終戦8.15よりも、加害的な12.8にもっと目を向けろ。戦争を起こしたものがいたから、ああなったんだろうが等と書いていた。さすが闇市派、「火垂るの墓」の作者。歳はとっていても未だ健在である。