2019-01-01から1年間の記事一覧

『クリクリ』 No.3575

かたいよろいに とんがりあたまごましおひげで ちゃいろくクリクリ いばっている いばったクリよおまえはたべられるそんざいクリクリこんがりむきやすくクリクリまだあったかく ほっかほか (おとなりさんからもらった焼きグリ クリクリ おとなりさんもひと…

『わたしは魚』 No.3574

わたしは魚 すーいすいおよぐぷかりぷかりたゆたいゆーらゆらゆれるめばえたいのちがゆれるあたたかくやさしくすきとおってあかくひかりよろこびにつつまれて うたう海くりかえす海なつかしい太古の海おかあさんのあたたかな子宮の海 わたしは魚海のなかをお…

『悲しさが』 No.3573

この世に ぽつんと悲しい人 どこか病んだこの島国にも悲しい人海の向こうも山の向こうにも 危うい世界見えない悲しみに満ちて だからわかる人にはわかっている涙にきたえられた悲しさが平らな和みを希い求めることを 悲しい秋陽が陰り光が少しずつ薄れてゆき…

『ひとつのコップに光を』 No.3572

ひとつのコップがあるなんのへんてつもないコップ 木片にそっとコップを置くただ木片に置いただけで見方が変わる カーテンを少し開け 光を当てるみるみるコップはかがやきさまざまな事象や思いがあらわれ 希望すら見えてくる コップを見つめるそれは自分を見…

『天上小風』 No.3571

風が吹いている戸や窓がカタカタ鳴って落ち着かない風が吹いているススキをゆらせコスモスをゆらせ森に入りさまよう風が吹いている微かに動く大地に広々と風が吹いているぼくに吹き寄りくるっとまわるおそらくあなたにもくるっとまわっているだろう風が吹い…

『ススキ』 No.3570

スクスクとまっすぐ立っていたけれど風に 大きくゆれ物憂く かすかにゆれ白く ゆれる芒 風になびく心がなびくあなたになびくススキ スキスキススキ 刈っても刈ってもまた生えてくる生命のちから しぶとくたおれない おれないただしなやかに揺れるだけ薄 やっ…

『災いはどこにでもやってくる』 No.3569

災いはどこにでもやってくる災いはいつかはやってくる災いはぼくにやってくる災いはあなたにやってくる災いはだれにでもやってくる災いはヒトへの天罰のときがある 知ることだ備えておくことだ助け合うことだ覚悟しておくことだ観念することだ 災いはいつか…

『緑に包まれて』 No.3568

里山に入り 緑の海を歩く光りが枝に葉に 野草に 降り注いでいる緑が匂う 緑の中にちいさなちいさな白い花そのとなりにもうすこしちいさな紅の花緑から浮かび上がる気高く咲き誇る紫の花 ぼくは緑に生きている緑に生かされている緑に包まれて 葉が鳴り枝が揺…

『嫌がるあなたへの手紙』 No.3567

わたしはとても辛いので あなたにお手紙をさしあげますあなたはどうしてわたしが嫌いなんですかともに仲良く暮らしていたのに、それも急になにか悪いことでもしたでしょうかわたしはつらいです、とても苦しく悲しいときもあります 周りの人たちが言うからで…

『歩っ歩っ』 No.3566

あっちにもこっちにも理不尽な死人の世といってもひとときの地球の歴史、生命体の自然どんなことが起こっても そのまま受け入れるしかないけれど・・・ 残る成長の不満と空しさ関係の嫉妬の修羅場もある 心の機微ってのはいったいどうなのか好みの差異をどう…

『あぜみち』 No.3565

風にそよぐ黄金色の稲穂を見ながら畦道を歩いているとふぃっと遠い記憶が蘇ってきた 田畑や山を走り回ったころの思い出実にたくさんの子どもたちが野原を遊びまわっているせっせと畑の野菜を摘むおとなたちこの土地に蓄積されてきた古いふるい記憶残り続ける…

『暑い初秋、見失われたあなた』 No.3564

黄金色に染まった田んぼが一面に広がっている山は緑 青空に白い雲 あなたがみえないあなたがわからないあなたはあなたでないあらかじめ失われたあなた 紅の百日紅の花と桃色を秘めた白い夾竹桃が見事に咲いている ぼくは変わっていないちっとも同じところを…

『出会ったあなた』No.3563

ぼくはさがしつづけてきたあなたと出会うことができたらとあなたはぼくの根元から変えてくれるだろうあなたに会いたい会えたらと 漠然と想っていたことが少しずつ浮き上がってくるぼくのすることって、このことなのか・・・ 心と心が出会って喜び合い ぶつか…

『ほのかな』 No.3562

あのひあのとき未知にふみこんでゆめにめがかがやきういういしくはつらつとしていた きょうこのひゆめはいまだきえずうよきょくせつむらがありながらすこしおちついている きょうからみらいへきみのゆめとあのひながしたなみだはもちつづけてほしい ・ ・ ・

『うたかたの』 No.3561

アッとわかるオッとわかるフッとわかる こころが通い合った 人と人との出会いあなたとの喜びと幸せと別れと悲しみ ・ ・ ・

『いま ここ 痛み』 No.3560

いま ここ痛みは世界ぼくの全世界ぼくの在ることの証 いま ここ痛みをかかえて 生きることの辛さ人生のひとときの苦しみ いま ここたしかにぼくは生きている痛みをこらえながらああ、痛みよ 去れ 去れ ******* 『歯が痛い』 No.3559 歯が痛いうずく …

『初秋の白雲』 No.3558

フッと自分という自然に気付く秋の白雲 白雲や秋陽陰影の山に浮き上がる 夏残りてぐでんとわが前でねむる猫 とどこおる暑さの中でさて、どのように使おうかこの新発見の言葉 山から空へ新鮮な白雲のぼる暑い暑い初秋 生きてまっせ! ・ ・ ・

『あなたへ ラブレター』 No.3557

わたしがこうしてここに独りで詩を書いているのも 自身に向けての手紙でもありますが もっとわたしのだいじなことあなたに向けた手紙でもあるのです あなたはわたしのたいせつな人この世でたったひとりの人あなたはわたしの大好きな人 あなたはすでに死んだ…

『信じたい、人を』  No.3556

信じていたのに・・・ 信の糸が 一本プツンと切れたらこれまでのつながりやいまのあらゆるむすびつきがまたたくまに崩れてしまうあなたとの関係 そんなにもろいものなのかうそでも信じていたい 信の糸が切れたとしてもまた結ばれることはあるのだろうか そこ…

『夢をつくる里』 No.3555

きみと夢を語るこの里で辛いこと嫌なこと苦しいことは隅っこに置いて荒波を乗り越え 嵐の去るのを待って生きることの意味 友情 愛 家族 宇宙を語る きみと夢を描くこの里で同じ志を紡いでいって想いと思い折り合い織り合い平らで和やかなこころで豊かな希望…

『ツバキがいなくなって』 No.3554

ときどき ふぃっと出てくるおてんばに走り回り すりより ぼくのひざにのるぬくもり ※ツバキが居なくなった喪失感にときどき苛まれます。 ※一ヶ月程前に居なくなってしまった愛猫のツバキ。どこへ行ってしまったんだろう。誰かに連れ去られたのか。食べられた…

『8月の終わりは黄昏の国』 No.3553   『行ってしまった夏』 No.3552

あれはいったい何だったんだろうあのときの 熱い思い信じていた言葉もろくも崩れ去って・・・ 近くに居てくれたはずがとても遠かった今は遠く遠く離れたところに 夏の終わりは黄昏の国なぜか どこか さみしさが漂って ************* 『行ってし…

『絶滅危惧種ヒト科ヒト』 No.3551

劣化して 感情が先走り何を起こすか分からない国のトップに立つヒトたちの巻き起こす茶番劇おお、怖い怖い世界ニュースを映すテレビ画面をプツンと切ってごろんと寝転んで想う私たちヒトもそう長くはないな殺し合うのが大好き絶滅危惧種ヒト科ヒト ・ ・ ・

『こけないで!』 No.3550  ・ 『めんどう』 No.3549

人と人がいっしょに暮しているときなにかをいっしょにやっているときちょっとしたボタンのかけちがえで危ういときがあるこれまで築いててきたもの何もかもが無くなってしまう・・・他者と共に生きる人生の危機 そんなときはくずれぬように たおれぬようにれ…

『出会う』 No.3548

出会う会いたかった人に出会う会えなかった人に出会う ちょっとはにかんで苦笑い 深いふかい奥の暗がりにあるかすかな明かり 孤独の中からぼくにだけとどけられた手紙 そばにいてくれてささえてくれて まだ知らないじぶんに出会いはげまされる ・ ・ ・

『しをかく』 No.3547

それは長い時間をかけて醸成されてきた ある日 ある時とつぜん 開かれる直に観る 直感 開かれるためにはなにもしなくていい ただ こころのなかでじぶんの感受性に出会う旅にでればいいのだ ・ ・ ・

『水の音が・・・』~夏の水琴窟、希望の水音~ No.3546

水の音がきこえる夏のある日 あの蔵から・・ わたしは水音をさがしに水の流れに入っていくたしかにきこえてくる 雨の音、それとも川の流れの音? 滝の音?いや、胎動! 水のトンネルを潜り抜け胎内にはいっていくとそこは水の中心の世界妖艶な手が水を掬い取…

『あなたとの出会い』 No.3545

台風一過 ときおりまだ強い風が残る暑い日あなたは前触れもせずやってきたうちへ来るひとはいつもこうだ寝冷えによる風邪でうんうんうなっていたときあなたがきて看てくれた人にとってだいじなものは変わらないかけがえのない・・・あなたはただそばにいてく…

『いちにちの品格』 No.3544

ぼくらは総てを失わないように観る目をそだてている花に朝露がのって陽がひかる蜻蛉が飛び交う夕暮れお盆のいちにちなにもいらないなにもほっしていないただあなたがいるだけでいい いいひとたちがあつまりいいひをすごすぼくらは信でむすばれている ・ ・ ・