『暑い初秋、見失われたあなた』 No.3564

黄金色に染まった田んぼが一面に広がっている
山は緑 青空に白い雲

 

あなたがみえない
あなたがわからない
あなたはあなたでない
あらかじめ失われたあなた

 

紅の百日紅の花と
桃色を秘めた白い夾竹桃が見事に咲いている

 

ぼくは変わっていない
ちっとも
同じところを往ったり来たり
堂々巡り
生きるとは・・・

 

秋になったというのに 暑い

 

ふと突いて出てくる言葉
「ねえおかあさん、
ぼくのあのときのあの帽子は
どこへ行ったのでしょうね」

 

ぼくは旅に出よう
インナートリップ
見失われたあなたと出会うために

 

近くでススキが揺れている