『あぜみち』 No.3565

風にそよぐ黄金色の稲穂を見ながら
畦道を歩いていると
ふぃっと遠い記憶が蘇ってきた

 

田畑や山を走り回ったころの思い出
実にたくさんの子どもたちが野原を遊びまわっている
せっせと畑の野菜を摘むおとなたち
この土地に蓄積されてきた
古いふるい記憶
残り続ける無数の記憶
生きていた数々の時

 

過ぎゆかない時間の中で
ぼくは畦に
コスモスの花がいちりん
咲きだしたのを発見した