「ポスト・ロストジェネレーション!」言葉の展覧会445

家庭に持ち込まれた
競争
マイナスカードを奪い合って
お互いに争う
不幸競争
上見て暮らすな下見て暮らせ


競争社会の
自己責任論の
内面化
苦しいとさえ言えなくなった


だが
自分の「必要」は自分で解決するしかない
一病息災
自前の論理で


「この社会は確かにおかしい」
「冷たい
そもそも世界というものは
世界そのものがまちがっている
でもしょうがない
最初からまちがっている」から
しかし受け入れるしかない


この格差のなかで
この貧困のなかで
明日を考えよう
これが私の応答だ
文学はまだ捨てたものじゃない
まだ世界ではどこも始まっていないものが
この日本で生まれている



高橋源一郎『ポスト・ロストジェネレーション!  世界は間違っている。それでも、明日のことを考えましょう。』(「論座」3月号)を読んで。


※※今月の「論座」(朝日新聞社)3月号(久しぶりに買った)は面白かった。特集は、「ポスト・ロストジェネレーション!」で、去年の「『丸山真男』をひっぱたきたい(赤木智弘)」のつづきである。さらに発展した感がある。石川啄木の時代閉塞からの脱却の処方箋「明日の考察!」の応答である高橋源一郎の言葉はよかった。いいところをついている。
 また、もう一つの特集「変貌する『象徴天皇制』」も面白かった。もはや、天皇が国民全体を象徴する時代が終わったんだろうな。