「LIFE SIZE 3」 言葉の展覧会455

aiueokaki2008-02-17

どうしてわたしだけが
わたしだけがなぜ
身の丈断片は口々に叫ぶ
自己をはかるのに手間はかからない
不満は奥深く天を突き破る
どうしてこんなに亀裂があるんだ
わたしの断片は引き寄せあって縮小し
恨めしげに問う
口は歪んでいる
わたしという「主体」は軽々しくも
折れ曲がって
物欲しそうに上目遣いで不満を表している
同じように他者のはかりは溶け合って
均一な顔の羅列
さらなる同一化のなかで
「カネ」だけが浮き上がっている光景は
実に見事なものだ
均質は均質を呼び込み全体を覆う
そこへ一つの強き力が与えられれば
伝わり反射し結合がゆるみ
一網打尽 真っ黒の「崩壊物語」
事態は悪化の一途
壊れたわたしのひとつの断片は
逃げ、逃げ、出す
命からがら



※  「LIFE SIZE 2」

それでも回復力はありますかー
もう一つのわたしへ。
黄昏ていく空に濃い空虚に根をはった/
種子が発芽した。不在のままに 》
終わりのない日々のひびわれ )
身の丈の幻ー「身体」STORY・
鍛えられた無関心。なめくじが這う暮らし。
人群れに蒼白なわたしがいる。
世界は灰色の沼地 )
時空の圧縮が加速して/
わたしはズレ、揺れ、飛んで、
ばらばらに分解する。
他者たちの組み合わせコラージュ )
空虚な記号 あるいは逆説/
ありのままに? 》
わたしという「主体」の物語は
都合のいい光学的欺瞞。
だから空の裂け目がわずかに息を吹きかえしたとき、
上を向いて幻想を浸そう↓
わたしの断片は叫ぶ。
元気をだせ!::*:*:


・          (2001年)                      


※  「LIFE SIZE 1」        
ぽっかりと
だらしげに口を開けたセリフポートレイト
伸ばしても膨らませても重くしても飾っても
ぼやけてしまう
投影した自己生成の神話
何処にも「ある」偶像
身の丈の幻
LIFE STORY
 

記憶の内側に入って
心の傷を掘り下げ凝った身体を解きほぐすために
わたしをさがす
さがしてもさがしても
わたしという空虚な記号
切り離し組み合わせた断片的コラージュ
世界との馴れ合い
他人のもたらす共犯性
居場所なんてどこにでもある
わたしは一つの逆説だ  


わたしは捕まえる
わたしのばらばらな分身たちを
他者たちと
「ありのままのわたし」を
不在のままで


わたしという主体の物語は
都合のいい光学的欺瞞


こんなものがわたしなのか
幻想への挑戦あるいは
亀裂


・          (1998年)