「イルミネーション」言葉の展覧会400

どこもかしこもイルミネーションがチカチカきらめき
不夜城謳歌している
年の暮れの大都会の
夜の道
つかれた人がをとぼとぼ歩く
擦れ違う 帰りを急ぐ人 酔っぱらって上機嫌の人
買い物袋をいっぱいさげた人 腰を抱き合った恋人たち
だれもかれも気を紛らしほっと一息ついた人たち
その喧噪の中で頭を垂れて
もうこの世はお終いだという体つきをして歩いている
この若い男をまだ誰も気付いてはいない
イルミネーションの向こうには底なしの闇がひろがる


夜空を見上げるとただぼやんと暗い
星は出ているのだが星は見えない
都会の夜に
ただあるのはイルミネーションばかり