『電車の中で財布を盗られた』 No.3541

     <電車の中で財布を盗られた>

   ***電車の中で財布を盗られた①***
 世知辛く殺伐とした世の中です。
 昨日のニュースひとつとってみても、「児童虐待最多15万9千件」、「京アニ事件のやるせなさ」、「おれおれ詐欺アポ電全国3万5千件・大都市圏で拡大」、「高齢化する引きこもり」、「いじめ・・」、・・・・・等々。

この日本列島に住む人たちは、不安や不信、不寛容が支配する危機的状況のなかに追いやられているような感がします。人が人として、みんなと共に生きるとか、夢をもって生きるということが急速度に失われて行きつつあるのではないかと、とても哀しく寂しくなりました。
 そんななかでぼくは、嫌な体験をしました。電車の中で財布を盗られたのです。

***電車の中で財布を盗られた②***
 疲れ、アルコールが入っていて爆睡していたのがそもそもの間違いでした。運転免許証や保健証、クレジットカード、ETCカード等々を入れた財布をズボンの後ろポケットに突っ込んでいたのが無くなっていたのです。


***電車の中で財布を盗られた③***
7月31日20:55。阪急電車十三駅に乗りました。その日は、朝7:30に家を出て、大阪のハーベストホールで「ゆめ・まちフェスティバル2019」があり、そこで600家族程の子どもたちに、わが里山で間伐した桜と月桂樹の太い枝をスライスしたものに絵や字を描いてキーホルダーにしたり、武庫川にあった石に絵を描いたりするブースコーナーのサポートを17:00頃までしました。

***電車の中で財布を盗られた④***
「ゆめ・まちフェスティバル2019」の片付けなどが17:00頃に終わったので、その後、阪急宝塚線にある十三駅近くにあるとある飲み屋でにて、5人で打ち上げ会をしました。疲れていたので酒はよく回ります。
 喜八州できんつばを買い、十三駅で20:55の宝塚駅行きの電車に乗ったんです。
***電車の中で財布を盗られた⑤***
 電車の中では、疲れと酔いですぐ寝てしまったようです。立っていたのか座っていたのかさえ覚えていません。
 ハッと目が覚めたのがちょうど降りる予定の売布神社駅ですぐ飛び降りました。売布には妻の家がありそこへ泊まる予定でした。
 でも、降りるホームとは反対のホームだったのです。

***電車の中で財布を盗られた⑥***
電車の中でしこたま寝ていたようです。宝塚駅に着いても爆睡していたのでわからず、折り返して、目覚めたのが売布の駅だったのです。改札口前で、ズボンの後ろポケットに入れた焦げ茶色の年期いりの分厚い財布が無いのに気づきました。

***電車の中で財布を盗られた⑦***
 財布が無くなったことをすぐ、改札口の駅員さんに言いました。駅員さんは丁寧に対応してくださり、明日忘れ物センターに連絡してくださいと案内の紙までいただきました。 すぐその後、警察にも電話しました。宝塚署の二人の方が来られ、こちらも
とても丁寧に対応してくださいました。

に対応してくださいました。
その後、クレジット会社に電話連絡して、カードを止めてもらうようにしました。終わるともう24時近くでした。

***電車の中で財布を盗られた⑧***
 翌日8月1日。駅員さんより13:00以降阪急電車お忘れ物センターに問い合わせをしたら無くされた財布が見つかるかもしれません、と言われたので連絡しましたが届いていませんでした。阪急電鉄交通ご案内センターへも電話すると、探してみますとのことで、いろんな駅で探してくださいましたが無いとのことでした。

***電車の中で財布を盗られた⑨***
 そうこうしているうちに、午後、クレジットカードの方から電話が入りました。「7月31日21:53に宝塚駅徒歩8分(料亭がんこやパチンコ店近くにある)ファミリーマートで、76、500円の買い物をされましたか?」「????」ぼくはそんなところへはは行ったことがありません。その時間ぼくは、売布駅に降りていたぐらいです。
 しまった!! 盗られていたんだ! あのとき、カード会社で止めてもらったのに、その前にやられたんだ。

***電車の中で財布を盗られた⑩***
 ファミリーマートで7万6千円ほどを盗んだぼくのクレジットカードから使われていたのを友人に話すと、「暗証番号あるのに、なんで使われたんや?」。ぼくにもわかりません。夕方、オカハシさんに話すと、「プロですね。財布に入っている他のいろんな情報から分かるんですよ」「・・・・」

***電車の中で財布を盗られた⑪***
 「財布の中にあったお金、1万1千円ほどは使われたとして、他の免許証や保健証などは捨てられていますね」とオカハシさん。ぼくは、「ゴミ箱にでも捨てたんでしょうか?」と聞くと、「いや、ゴミ箱は手がつきますので、川に捨てたんでしょう、おそらく」、「エッ、近くに武庫川がありますけど・・・」

***電車の中で財布を盗られた⑫***
阪急電車の乗務員さん、おえらい方々にお願いです。電車が最終駅に着いて停まっているとき、車両に爆睡している人がいたら、「着きましたよ」と起こしてあげてください(以前は、よく声掛けして起こしてあげている光景を見ました。でも最近は、そのままにされています)

***電車の中で財布を盗られた⑬***
8月6日に、曽根崎警察署から電話がありましたので、いってみました。渡されたのは、カードや券が十枚だけでした。財布も現金もクレジットカードもありませんでした。

***電車の中で財布を盗られた⑭***
 世の中にはいろんな人がいます。でも最近、この日本列島に「嫌なヒト」「歪んだヒト」「醜いヒト」が増えてきたように感じます。というよりも、人がこころの奥にしまいこんでいた闇の醜く嫌なものが表面化して来たんじゃないだろうか、と想います。
 宝塚栄町のファミリーマートの店員さん、7月31日21:53に、クレジットカードから7万5千6百円を使った人を思い出してください。宝塚署の刑事課の方々、犯人を見つけてください。今後、ぼくみたいな被害者がでないように、どうかよろしくお願いいたします。

***電車の中で財布を盗られた⑮***
生きづらい世といいますか、暮らし辛い世の中になりました。
他者を風景のように見る、あるいはモノや虫けらのよにふるまう。自分以外はモノとして扱う。相手が誰であろうと自分には無関係。他者を利用物や従属物のように見てしまう。・・・こんな人が増えていくような嫌な世の中になって行きつつあります。
 そんな世の中に少しでも風穴を開けて、それとは違う新鮮な空気を入れて、人が人を信じる世にしたい。お互い様と言える世にしたい。ヒト(人)が共に(社会の中で)生きるために大切なものは何かをもっと考えていきたい。 と、この体験を通して学びました。