『もっとステキなゆめが』 No.3531

ゆめは変わるもの
昼間、自分の夢の工房をつくりながら
ゆきちゃんは投げやるように言った

この部屋もわたしがいなくなっても 誰かが使えるように・・・

 

しばらく その言葉がぼくの脳裡を
ぐるぐるまわっていた
気になる いま、自分のゆめをつくりつつあるのに

 

ゆめは変えず 死ぬまで消さないでよ
夕方ぼくは 切につたえた

 

なにがあるかわからないもの
これからもっといいことがあらわれるかも

 

でも 子どもの頃にえがいたゆめは
もちつづけてほしいよ

 

もちつづけるよ それは
でも、もっと素晴らしいゆめがあらわれるかも
ゆめはけんざいだった

4年前の溌剌としたゆきちゃんが戻ってきた

 

彼女のほうがずっとゆめがある

 

うん、そうだね そうだよ
これからもっとステキなゆめがゆきちゃんにあらわれるかも

 

ぼくはホッとして缶ビールをグィッと飲み
ソーメンをスルッと食べた

彼女はにっこりして
スルスルとソーメンを食べた