『新生』 言葉の展覧会1099

水没し 
  壊され
喪失してしまった「生」



生の営みを未来から見る
(おそらく後数十年すれば、今正しいと思っていることや常識がすべてひっくり返されていることだろう。現在やっていることがなんと過ちに満ちていたことが歴史書で証明されているであろう。・・・・・)
未来に教えられ 未来に学ぶ



どんなときでも人間は生きてきた
これからもどんなことがあっても人間は生きていくだろう
この地球でしばらくは ・・・
傲ることなく謙虚に
共に助け合い



衰退ではなく
破壊でもなく新しい「生」である
「生」は繰り返す
生はたえずよみがえって
「新生」となる




※  今日、久しぶりにメールを開けると大野良平さんよりこんなメールが入っていた。
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●『生』消失       Date: Thu, 12 May 2011 20:48
「本日、大雨による武庫川の増水により中洲の『生』が消失しました。多くの皆さんに親しんでいただきました『生』ですが、再現から5カ月・・あまりにも早い消失となりました。
 昨夕、大雨の濁流にのみ込まれながらも必死に水面から顔をのぞかす『生』の最期の勇姿をこの目で見届けました。雨が降る中、偶然通りすがりの女性も足をとめて、心配そうに写真におさめておられました。『生』は本当に市民に愛されているのだなと実感した瞬間でした。「流されないかしら・・・」という不安そうなお言葉に「大丈夫ですよ!」と力強く返答しましたが、最終的にこのような結果となり残念に思っています。
 『生』は祈りのオブジェです。形は失せても『生きるメッセージ』としてそれぞれの記憶の中で力強く生き続けてくれるものと信じています。
 『生』の再現には、地域住民、子どもたち、大学、行政と多くの皆さまのご支援、ご協力を賜りました。言葉では言い尽くせない素敵な出会いがありましたことを心より感謝申し上げます。
PS
 『生』を積み上げた中洲が今回の増水でどういう状況になったかは確認できていませんが、東北大震災のこの時期だからこそ前向きに『生』の復元に取り組みたいと考えています。 ・・・・・ 」
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   ぼくは早速返事した。
● 大野さん、おはようございます。
久々に(2週間ぶりぐらいに)メールを見ました。こちら4日程田舎にいて、昨夕、宝塚へ戻ってきて、すぐにまだ観られずにいた『阪急電車』をレイトショー(満席でかろうじて立ち見席に入れました)で観に行きました。帰ってから酒を飲み、新聞を読んでいると大雨での武庫川増水による「生」の水没記事が載っていたのです。3日間降り続いたからなあ、自然の力はやはり絶大や、人間の文明などものともしないなあ、等と思いながら深夜だったのでそのまま寝てしまいましあt。そして今朝炊事洗濯をすませてから、大野さんからのこのメールを見たのです。
やはり、自然とのたたかいですね。自然は私たち生命を生み出し育んでくれていますが、時には自然と対峙しなければならない場合があります。自然の力は途方もないほど絶大です。人間は負けるに決まっています。でもその自然と向き合って生きていかなければなりません。自然を愛でると同時に自然とたたかう。「生」におけるこの二律背反の必要性を忘れてはならないでしょうね。「culture(文化)」という言葉は、「自然を耕す」という自然と人間とのたたかいから来ていますから。ぼくは、私たち人間は傲慢にならずに謙虚に自然とつきあわなければならないのではとおもっています。人間は自然を守るのではなく、自然に守られているからです。そういうなかでの、川の中州に石ころで築いたはかない「生」です。壊されればまたつくっていこうではありませんか。東日本大震災の復興・再創造とともに。
・・・・・・ 大野さんのメールを読んでこんなことを考えました。
 また、大野さんの言うように『生』の復元をしましょう。作業する日時をお知らせください。では、明後日会いましょう。
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