「薄っぺらないま」言葉の展覧会200

aiueokaki2007-06-07

私たちの時代は明るい
明るさの中に闇がある
闇からときどき
静かな狂気が正体をあらわす


不可視の菌糸のような
情念が広がっている
じわじわと
  じわじわと
知らない間に囲い込まれる
目に見えない脅威


ここでは欺しの言葉の横行
記憶の引き剥がし
過去を取り繕う
歴史の捏造に偽の記憶に
あらゆる言葉が欺瞞の空洞に


過去を切って捨てた
半径2メートルの日常の平穏だけの
薄っぺら
  ぺらぺらな
いま




辺見庸さんの言葉を拾って  「記憶の内奥へ ー辺見庸さんに聞く・(上)」(神戸新聞6月5日)
「人の前には、何も変わらない半径2メートルの日常の平穏だけがある。それは、日常の外を取り巻く大きな状況から絶望的に分断されている」という辺見庸さんの言葉は、「偽の記憶」に塗り込められた日常を生きているぼくに、かなり強烈にグサリと突き刺さる。