『みかん』 言葉の展覧会1023

aiueokaki2011-02-19

海風がやってくるさわやかな春
ひとつの木に
可憐な白い花がたくさん咲いた
海風もうだる暑い夏
やがて花は清純なあおい実に
秋を経て冬に
いつしか実は黄橙色に

     オレンジ色の
     ひとつぶが
     もうひとつぶとかさなり
     無数のひとつぶが
     種を守りながら
     美を構成している
     宇宙の中の
     ひとつの絵

この冬のデザート
遠い大陸の中国やインドに想いを馳せ
みかんを食べる
小さな幸せ
果汁をつつんだ無数の房がつぶれる
甘酸っぱさが口のなかの宇宙にひろがる
     みかんと
     その間の生を生み出したものと
     ぼくとの
     つながり