『Kが家の前で死んだ』 No.3648

Kが死んだ
未明 まだ暗い時
家の前で倒れていたそうな

 

独り暮らし大酒飲み 71歳
話し相手は一人もおらず ただ酒だけが友だち
変こつ
この前家横の駐車地で、車の回し方が悪いと言ってぼくは怒られた
K
世間からは忘れられたような人

 

なぜ、家の前で死んだのか
家中で死んでも誰も見つけてくれない
せめてもの 自分の死を世間に知らせようと思ったのか

 

自分が死ぬのを知ったとき 人は何を思うのだろう
ぼくは何を思うのか

 

山の中腹にあって朝陽の当たらない家
午前3時頃 新聞配達の方が死んでいるのを見つけたそうな