『私の旅』 No.3646
悲惨な春を越えて
暑くなり過ぎた唐突にやって来た初夏になるまで
ぼくは何も書けませんでした
いえ、書きませんでした
切断。
そうです、時間を断ち切っていたんです、ぼくの心の中で
その間
何もありませんぼくにはすべてが無くなりました きれいさっぱり
無
なんにも無
かった代わりにすべてがありました
災い転じて福と成す こんな自由な世界はありません
会無し、イベント無し、仕事無し・・・
そしてぼくは みすぼらしい老人になっていたのです
朝陽が遠くの山際からまともに射し込んで来るぼくの家で
朝起きると太陽に挨拶をしました
おはようサン! 今日もよろしゅうに
わたしはこうして 朝の決意をしてから出かけます
遠いとおい旅です
この部屋からあの部屋へ
道草もします
そうです、いつも寄り道をするんです
その旅の寄り道は
ステキです
少女のわたしは可愛い花を観ながら声をかけます
春にはピンクの椿が咲き、3年ぶりの一輪の牡丹が咲き、
白や紫のしょうぶが綺麗にさいていました
かとおもえばもう夏 ドクダミの白い花の中で
百合がぐんぐん伸びて突き出るようになりました
ドクダミ
わたしはドクダミの葉っぱを数枚いただいて
朝食でサラダにして食べました
これで今朝の私の旅は終わります
旅は毎日続くんです
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