「消えた少女」言葉の展覧会260

aiueokaki2007-08-06

もう朝から
太陽がじりじり
蝉がみんみん鳴いて
暑さを謳歌している
夾竹桃はこの世のものとはおもえないくらい紅い


蝉はどうしてこんなに鳴き続けているんだろう
級友たちはみんなよくはたらく
私も負けられないわ
今日もがんばらんといけん
蝉がおしっこをした
少女は
にっこり笑った
笑顔と白いブラウスがよく似合う


道に置いてある板きれをつかもうとした
瞬間
ピカッと光り
少女は一瞬に
消え

薄い影だけを残して
蝉は跡形もない




※今日はヒロシマの「原爆の日」である。62年前のこの日、広島市立第一高等女学校の生徒ら(676人)が建物の解体作業をしているところを原子爆弾が直撃したという新聞記事を読んで、なんの感情も思想も入れずに想像(貧困な)して書いた。「唯一の被爆国である日本国政府には、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び、それを世界に広める責任があります。・・・・・ 世界に誇るべき平和憲法をあるがままに順守、米国の時代遅れで誤った政策にははっきり『ノー』と言うべきです。・・・・・」という秋葉忠利広島市長の平和宣言はすばらしかった。日本国政府聞く耳がないと思うけど、よ〜く聞いてよね。


・かつて、高石友也が歌っていた歌が思い出された。


「死んだ女の子」


扉をたたくのはあたし あなたの胸に響くでしょう
小さな声が聞こえるでしょう
あたしの姿は見えないの


十年前の夏の朝 私は広島で死んだ
そのまま六つの女の子
いつまでたっても六つなの


あたしの髪に火がついて 目と手が焼けてしまったの
あたしは冷たい灰になり
風で遠くへ飛び散った


あたしは何にもいらないの 誰にも抱いてもらえないの
紙切れのように燃えた子は
おいしいお菓子も食べられない


扉をたたくのはあたし みんなが笑って暮らせるよう
おいしいお菓子を食べられるよう
署名をどうぞして下さい


【作曲者名】木下航二【作詞者名】ナームズ・ヒクメット【訳詞者名】飯塚 広