『どんよりした新しい風』 言葉の展覧会885

aiueokaki2010-08-15

閉じられた窓がギリギリと開いて
ほんの少し新しい風が入ってきた
しかし内は未だどんよりとよどんだまま
大きな流れがあれば流されてしまいそう

         *
ぼろぼろな体はもう歴史的な限界がきている
小さな物語同士のせめぎ合い
いさぎよく決断して排他性を持ったってどうにもならないのに
相容れないものの隠蔽 低下するくに
誰にも知られず隅っこにころがっている絶望感
の共有 ・・・伝染するんですよね

         *
あれかこれか
これかあれか
あれでもないこれでもない
けっきょくかれがなってもたいして変わりはしなかった
バカなあたしは気づき始めたんだよ
かれを変えるだけでは何もよくならないことを
新しい風が入ってもそんなにさわやかにならないことを
うすうす気づき始めたんだよ
それだけで儲けものさ

         *
だったら
負わなければならないんだよあたしやあんたが
自己責任でない責任を
孤独さがしってひでぇものよ 
こうを引き受けて實存は語れるものなの
欲を抑えて豊かさは得られるものなの 
豊かさって いま誰もが幸せであることなんだよ

         *
無縁の世の中で単身ばかりがうようよ増えて
消された気配の中で
所在不明の孤独死が続いている
あたしの体にも原因不明のけいれんが起こる
少しずつ良くなってきたか悪くなってきたか
まだ新しい風はどんよりしている


ひとは生きて死んで 死んで生きて
予測されない危機のなかで
じんを忘却する
足引っ張りを止め強者回帰に抗い
ちょっと相容れないものに近づいてみませんか
生き恥をさらしながら
地という球の上で太陽フレアを想って
不格好に語り続けることですね



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※久々に詩を書いてみた。今日は、「終戦記念日」だそうだ。「敗戦記念日」でもある。アメリカや中国などにとっては「勝戦記念日」。韓国・朝鮮にとっては「解放記念日」である。それにしても暑い日が続く。