『夏の共同墓』言葉の展覧会1666

朝のまだ暗いうちから
村のもんが墓にぞろぞろ集まってきて
なんやら掃除をし出す
古ぼけ朽ちた墓標
まだまもない真っ新な墓標
周りの草を刈ったり土を寄せたり
墓標を立て直したり
虫にくわれたり
枯れ木草を焼いたり
そうこうして 知らんうちに
まわりは明るみ
墓はすっかりきれいになっている
村のもんはぞろぞろ家路へ
一年に一度のこの村の共同墓掃除
「はよ、これから仕事に行かんならん」
「家へ帰ったら、草刈りや」
「お疲れさん」