『10月はかなしみの国』 No.3675

この秋に 立ち往生して
あ~あと 深いため息をつく
わたしたちはたいへんな過ちをしているのではあるまいか

 

遠いさきにみえる廃墟 聴こえるよわよわしい歌
いまは壁の向こうから内輪だけの賑やかな声が

            途切れ途切れに聞こえてくる
細胞に流れ込む宇宙

 

寛容の免疫はあるのだろうか
わたしのためにたたかってくれている
ミクロの世界の天使たち

 

なぜに いま ここ に
わたしは在るのだろう
ことばの奥にしまわれたたいせつなもの

 

だいじにだいじにむねにしまおう
かなしみに気づくときまで
萎えたこころを少しあげて 
また 歩み出す

 

わたしは歩みつづけられるだろう
か 
はてるまで
宇宙の風がわたしのほほをやさしくなぜる