『夜の彼方』 No.3599

あの時のようにぼくたちは
満月の夜空の下で
夜の冷えから身を守るように
ずっと寄り添いあたため合っていた

 

星はわずかきらめいて見え
遠い遠い未来を想う
善意だとか 正義だとか 競争心だとか
それが何になるというのだろう

 

じっと夜空をながめていると
新しい何かが降ってくるような
ぼくたちは黙ったまま手を握り合う

 

今日が終わるよ
分からない不思議な力がぼくたちを引き寄せる
すべてはあるがままに流れてゆく