『壁の向こうの』 * No.3184

闇の向こうから聞こえてくる悲鳴
おいらには聞こえない
分かち合えない涙
おいらには見えない
壁の向こうの遠い世界


ふっと浮かんできた 心の闇
救われたい人の群れ
首をたれ、とぼりとぼりあゆむ人
地に両手をつけ、かろうじて座っている人
いつ崩れるのか (救ってあげたい)


そうじゃないの
みんな同じなんだよ
すべての人が そう
だれにでも居場所は必要なの
孤独をかかえる悲痛な声
軽い言葉を使うおいらには分からない


なぜこんなのが分からないの
なぜ、見えないの
どうして聞こえないの
希望の反転   フェードアウトしていく寛容


星の見えない夜
自分の馬鹿さ加減が際立った夜
愉快でおおらかで、楽しいネオンが消え
夜空を覆っていく闇
孤独を肴に ちびりちびりと酒を飲む


壁の向こうの近い世界