『紙飛行機』言葉の展覧会1672

ああ、あんなところに彷徨っている
漂う根なし草になってしまった芯
ふわふわと



なにげなく見上げた空に
様々な形象が描かれ
熱の冷めやらぬ断片が飛び交って
浮足立った時代がまた再びやってきた
灰色のわたが流れている
垣間見られる惨い過去そして未来 すっかり忘れ去られて
流れる雲は消える



はっきりと見えてこない
あのひとの言葉
いつまでも安っぽい物語を貪っている
あなたが見えない
これからもずっとそうだろう
おそらく
知らないうちに連れて行かれる恐怖



灰色に囲い込まれた曇空
やわらかい未来への責任が捨てられ
不安のなかに喪失感がくぐもる
美的な過誤と全体の落穴陥陋が濃くなっているのか



黒雲が崩れ 裂け 真っ二つに砕け散って
あかずの門が開き
世界のカオスが現れる



おそらく許されないだろう遠くの青空に
苦難の白雲が漂う



わたしは悟れない菩薩になりたい



そこからわからなさとの向きあいが始まる
仕掛ける爆弾 真っ白な紙飛行機
ほら、あんなに
高く高く