『谷川』 言葉の展覧会1222

aiueokaki2012-01-07

ふふふ と
冬の雲 空に貼り付いて
とどまる永遠
ちわちわちわ
じれったい小鳥が鳴いて美を催促する
すると 心の触手が
谷間にふわわわーと伸びて
枯れ枝にひっかかる
孤独が揺れ出した 岩に生える木
うわっつらの孤独も揺れている
いつまでもあると思うな甘い蜜よ
だから谷間が妙に騒々しい
隆起した地層が谷間の道を笑っている
とんだお笑い 細い煙がひわひわひわ
谷底は都会の雑踏
寒々と ひとがぶつかり流れていく
枯葉よ枯葉 その下髑髏が眠る
再び ちわちわちわ
迷える小鳥が鳴いて
山の向こうへ心を取り戻しに行った
この山あの山そんな山
やがて落ち着いたところは繁殖俗界
忘却夢の川
あてどない枯葉の旅は続き
瞬く間に過ぎゆく幸福な営み
谷間は谷間のままに




さて、