『夢想家はノーを!と言わなかった』言葉の展覧会1128

ノーを! と言った
夢想家は自分が主張してきたことがやっと市民権を得た
しかし
ノーを!と言った夢想家の叫びは届かなかった
やはり
いつの世も届かない
夢想家は「夢想家」にされ
ひとときの病に堕される
<この年、
夢想家は一時的に回復したがあまり長続きしなかった>



高揚が去り
残骸が一掃され記念碑が建てられ
埋まった平地に灯りが灯る
時が経ち 人々は便利さを求め
効率よく考えうごいた
二度の大被害にあいながらも
またまた道を誤った
それが過ちだとも気付かず
やはり「夢想家」というレッテルを貼った
「非現実的な夢想家」
以前と同じだ。あの時、小説家が演説した括弧付きの言葉と同じだ!!

でも、やむにやまれず
ノーを! と夢想家は言うと
人々から白い目で見られ隅に置かされた



ある日
建物と家と車と人がびっしりと詰まったこの大都会を
大地がぐらぐら揺さぶろうとは
誰もホンキでおもっていなかった

夢想家はもう
ノーを! と言わなかった




※吉田逸郎さんから送られてきた村上春樹バルセロナ演説全文を読んだ。よく言ったなあ村上春樹、と心から賞賛の手をたたいた。でも、効率や便利さを求める人々は、時が経つとまた息を吹き返すだろうな、と想ってこの詩(「夢想家」パート1)を書いた。
※※今朝の新聞のトップ記事に「イタリア脱原発を選択ー国民投票で9割『ノー』」(神戸新聞)が載っていた。うん、うん、この方向だ。ドイツ、スイスはやがて全廃することが決まっている。日本は、フクシマが今こんな状態になって全土に被害を広めているのに声があまり聞こえない。(6月14日追加)
※※※ネットで、「原発の継続表明を」ー経済同友会ー(6/14)とあった。やっぱり・・・・。