「出すあてのない手紙」  言葉の展覧会166

いつかだれかとみたような
ちょっぴりさびしくて 
ほのあかるい光景
だれもいなくなってしまった部屋で
眠れなかった私は 
頭をあげてぼんやりとながめる 
窓に映る
夜明けの 
一枚の絵 
ベッドでしたためる 
出すあてのない
手紙 
かつてあったような 
おろかでなんだか
あたたかなこころ 
これで
忘れられるかしら 


からんと 
えんぴつが落ちた