「子ども2007」  言葉の展覧会167

子どもが消える
ますます薄くなって
透明に
うれしいこと 特にない
忘れた ・・・


子どもが見えない
学校まかせで
かかわらない
かかわりたくない
でもひとつの価値観の押しつけだけはする
塾やお稽古まかせで
かかわらない
かかわりたくない
そんなわけで
子の悩みがまったくわからない


子どもは孤独
親のペットになって
あれこれ言われるけれど
いつもひとりぼっち


子どもは画面漬け
ゲーム漬けにケータイ漬け
ときどきむしゃくしゃして
ネットいじめ
こんな時から陰湿な暴力
競争させられランク付けられて
意地汚い小さな大人



子どもがうばわれる
「子ども」が発見された近代
子どもが自由になったのも束の間
原っぱが奪われ広場が奪われ路地が奪われ
時間が奪われ仲間が奪われ心が奪われ
子どもが消える
ますます薄くなって
透明に


ところがどっこい子どもは元気
大人社会をかいくぐって
無きにひとしい隙間で
しこたま遊ぶ
想像のなかで信頼のなかで
感性豊かに遊ぶ
消えゆく中での
小さな小さな芽