茨木のり子の「十二月のうた」

goukohahaさん、コメントをどうもありがとうございました。
『私も大好きでした〜茨木のり子さん。
「自分の感受性くらい」には何度励まされたことか?』とのこと。ぼくと同じです。

「鄙(ひな)ぶりの唄」もいいですね(パソコンの横に貼っているとのこと)。まっすぐで強い意志を感じます。ぼくも茨木のり子さんのような芯の太さとあたたかさがほしいものです。

あっ、また思い出しました。この詩(下記の)も好きです。昔、小室等六文銭が歌っていたと思います。懐かしい歌です。今でも空でなんとか歌えました。
これは12月だけのうたじゃないでしょう。ぼくも含めて今の日本人に当てはまる年がら年中のうたです。最近は家に帰っても仕事モードが消えません。「大切なものをぽとぽと落としている」のは辛いです。



      十二月のうた
                茨木のり子


熊はもう眠りました
栗鼠もうつらうつら
土も樹木も
大きな休息に入りました


ふっと
思い出したように
声のない 子守歌
それは粉雪 ぼたん雪


師も走る
などと言って
人間だけが息つくひまなく
動きまわり  


忙しさとひきかえに
大切なものを
ぽとぽとと 落としてゆきます


  *