赤目四十八滝

  今日は連れと二人で旅をした。行き先は、赤目四十八滝だ。もっとも前からここを計画していたわけじゃない。朝になって発車駅のなんばや上六に着いてもどこに行こうか二人は迷っていた。あれやこれや検討してみた。名古屋や賢島はかなりの時間がかかるし(そのときは午前10時を過ぎていた)、吉野はあまり見るものがないだろうし、京都はよく行ったし、鳥羽や松坂ぐらいがいいのでは、いや伊賀上野がいいかな・・・・
 近鉄の切符が手に入ったので、夫婦で日曜日に近鉄沿線のどこかに日帰り旅行しよう、と言うことになった。改札口前であれやこれや考えた挙げ句、結局落ち着いたのが「赤目四十八滝」だった。駅員さんに聞くと、特急よりも急行のほうがいい、てなことで急行に乗った。連れはなんでそうしたのかしれないが、天ぷらをいくつか買った。ぼくはコーヒーにガム。缶ビールは買わなかった。ビールは昼からの楽しみにとっておこうと思ったからだ。赤目まではこの上六からわずか1時間ちょっとだけだが列車のなかで車窓に映る景色を楽しもう。しかし、だ。急行電車はいつも日常乗っている電車と全く変わらなかった。満員ではなかったが、いつものつり革電車に乗り降りする人を見るだけ。そうこうしている内に乗っていた人も一人減り二人減りして座席はまばらになった。車窓は緑が増え、山や谷が現れてきた。そして、赤目口に着いた。
 バスの時間を待っている間に、駅前の一つしかない(?)食堂で昼食をとった。連れは寿し定食、ぼくは土用の丑でまだ鰻をたべていなかったのでウナギ定食とビール。定食代はいずれも1100円。隣のテーブルに高校生らしきカップルが座った。定食は案外美味しく、ビールもよく冷えていて喉通しを味わっていた。隣の高校生カップルはうどんを食べながらちょっとした口げんかをしていた。
「おれはお前にどれだけ貢いだとおもとるねん」
「あたしのほうこそいっぱいやったげたやないの」
「せやけど、全部あわしたらチャラになるんちゃうか」
「ならへん、あたしのほうが貸しが多い」
「いーやそんなことない、おれの方が多い」
・・・・・。
面白い会話だったので耳をロバにして欹てた。
 食堂を出て12:51発のバスに乗るやいなや雨が降ってきた。こりゃ、かなわん。こまったわね。日頃の精進が悪いからやろか。行くだけ行ってサンショウウオ会館だけでも見よか。それにしてもこんな時に・・・、連れとぼくは不安になってきた。

  今日は連れと二人で旅をした。行き先は、赤目四十八滝だ。もっとも前からここを計画していたわけじゃない。朝になって発車駅のなんばや上六に着いてもどこに行こうか二人は迷っていた。あれやこれや検討してみた。名古屋や賢島はかなりの時間がかかるし(そのときは午前10時を過ぎていた)、吉野はあまり見るものがないだろうし、京都はよく行ったし、鳥羽や松坂ぐらいがいいのでは、いや伊賀上野がいいかな・・・・
 近鉄の切符が手に入ったので、夫婦で日曜日に近鉄沿線のどこかに日帰り旅行しよう、と言うことになった。改札口前であれやこれや考えた挙げ句、結局落ち着いたのが「赤目四十八滝」だった。駅員さんに聞くと、特急よりも急行のほうがいい、てなことで急行に乗った。連れはなんでそうしたのかしれないが、天ぷらをいくつか買った。ぼくはコーヒーにガム。缶ビールは買わなかった。ビールは昼からの楽しみにとっておこうと思ったからだ。赤目まではこの上六からわずか1時間ちょっとだけだが列車のなかで車窓に映る景色を楽しもう。しかし、だ。急行電車はいつも日常乗っている電車と全く変わらなかった。満員ではなかったが、いつものつり革電車に乗り降りする人を見るだけ。そうこうしている内に乗っていた人も一人減り二人減りして座席はまばらになった。車窓は緑が増え、山や谷が現れてきた。そして、赤目口に着いた。
 バスの時間を待っている間に、駅前の一つしかない(?)食堂で昼食をとった。連れは寿し定食、ぼくは土用の丑でまだ鰻をたべていなかったのでウナギ定食とビール。定食代はいずれも1100円。隣のテーブルに高校生らしきカップルが座った。定食は案外美味しく、ビールもよく冷えていて喉通しを味わっていた。隣の高校生カップルはうどんを食べながらちょっとした口げんかをしていた。
「おれはお前にどれだけ貢いだとおもとるねん」
「あたしのほうこそいっぱいやったげたやないの」
「せやけど、全部あわしたらチャラになるんちゃうか」
「ならへん、あたしのほうが貸しが多い」
「いーやそんなことない、おれの方が多い」
・・・・・。
面白い会話だったので耳をロバにして欹てた。
 食堂を出て12:51発のバスに乗るやいなや雨が降ってきた。こりゃ、かなわん。こまったわね。日頃の精進が悪いからやろか。行くだけ行ってサンショウウオ会館だけでも見よか。それにしてもこんな時に・・・、連れとぼくは不安になってきた。


(つづく**また時間のあるときに書くとする)