「坂出達典 展」

  夜、ぶらっとBAR「メタモルフォーゼ」へ行った。山本シンちゃんがいたので同席する。彼はとても楽しい人で、みんなから親しみをもって「シンちゃん」と呼ばれている。ぼくも「シンさん」と言うよりもシンちゃんのほうがピッタシ合うのでそう呼ばせてもらっている。坂出さんも加わったりしてだべっていると、シンちゃんは「坂出達典 展」で展示していた作品「坂出バッジ」をテーブルに広げだした。バッジは30こぐらいあった。クーのキャラクターにひげを生やした物、ドラえもんが憎悪に駆られている(悲嘆にくれている?ーよく見えなかった)物、広げた手の指にまた手がある物、ペコちゃんが下を向いている物等、中に面白い物があった。前に3つ程買っていたが、また3つ買った。 そこへ、ストリート・ギャラリーの主人である久保田さんがやってきて同席した。テーブル前のシン・バッジ作品をあれやこれやと語った。そうこうしているうちに、谷中亜紀さんと森脇正奈さんがやってきて加わった。
 森脇さんは「欲望」と漢字でデザインしたTシャツを着て、服をブラウンで統一し、髪もほんの一部茶色に染めていた。谷中さんは、ちょっとシンプルにブラックで身を飾っている。さすが若き芸術家! シンちゃんのバッジ作品の中に、一つ目玉があった。それを目にしてみると、これがなかなか奇妙きてれつな顔に変貌する。みんなは、それに目をつけてそれぞれ自分の顔に付けてワイワイ言いながら写真を撮り合った(これらはまた、ここに載せることにする)。一つの作品でけっこう遊べるものだと今宵もまた発見。もっともみんな、どんなモノでも遊びに変える感性、つまり遊び心、そしてそれを楽しめる豊かさをもっているからなのだが。
 谷中さんや森脇さん、久保田さんが帰り、ぼくもそろそろ帰ろうとすると坂出さんが、水垣尚さんや岡本和喜さんがもうすぐ来るで、と言ったのでもう少し居ることにして白波を追加した。ドイツ人のAさんがぼくらのテーブルにやってきて少し話した。酔っていたのでよく覚えていないが、国の話になった中でAさんが、「中国はいい」と言うようなことを言った。するとシンちゃんは「中国は××」というようなことを答えた。「いや、中国のことを批判する前に日本はどうなの」とぼくが言って、それからAさんの連れも加わって、中国と日本の関係の話に発展した。そして戦争や靖国問題に話が及んだ。酔っていたので何を話したかわからないが、歴史認識をしゃべりあっていたように思う。Aさんが去り、和喜さん尚さんがやってきたが、シンちゃんとぼくの議論は続いた。かなり酔っぱらいのうだうだ話をしていたのではないか。それを聞いていた坂出さんらは閉口していたにちがいない、と今になって思う。
  こんな酔っぱらい話でメタモルフォーゼを後にした。帰りの階段で大野やすひろさんに出会い挨拶をした。それから電車に乗って家にたどり着いたことなどはあまり覚えていない。千鳥足で家によく帰れたものだ。
 「坂出達典 展」は今日で終了。