『ざくろ』 * No.3393

暑い熱い夏の想い出
あざやかな紅 優美なひと
忘れられない細い指の感触 
棘のあるやさしかった言葉
あなたが好きでした
・・・


今はもう秋
堅く厚い黄紅色のかわにつつまれて
ねむる恋の秘密
詩人王安石の 女神ジュノーの 釈迦の ペルセポネーの
哀しく麗しい物語
おお、優雅な石榴よ 
とうとう開かれた!
なまなましい裂け目から露出する
円熟した鮮紅色の煌めく玉、玉、玉
こんなに恋焦がれていたとは・・
若榴夢の中




(2010.11)

※こんなことを書いていたんだなあ、あの年にも。
詩を書き続けているとなぜだか、「恋」詩〜!がポッポッと出てきます。