『心がうごめき続ける理由』 * No.3264
のしんと落ち着いた緑
深くふかく変わりゆく
雨後の山々にすこし霧がかかって
彼方此方おのおのの声で囀る鳥たち
ひときわホトトギス それに鶯
ゆったり彷徨う霧
ふるさとに帰らなければ
すっかりわすれてしまっていた稲田のなかで
風のない山里のなかで
心がうごめき続ける理由を見つけた
森羅万象の中で朽ちることなく
涸れることなく流れる
たじろぎながら
流れながれて空に消えてゆく
ただそれ
だけ
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