『春風』 * No.3256

風が そよっと ふいた
すこし目覚めかけた里山を ゆっくり わたり
萌えいづるまえの 木々たちのあいだを
あたたかい言葉をのせて
流れていった


もう春ですよ
春訪チラシを配っていく郵便配達人のように
風は ひろがって
おだやかに澄んだ 青い空に
はにかみながら 吸い込まれてゆく


すると 何か 大きく
何か   ゆぅうったり 
山が動いたように ゆれて
 

谷間や木々の間から
さっと


あらわれた 言葉の ひ・か・り
希望


芽生えよ