『嗚呼、春は』*No. 2964

暑い
暑い!
春なのに
あのとても素晴らしい
快適な春の日々はもう戻って来ないのか


寒くもなく暑くもない
親しき友情みたいなもので結ばれた
睦まじかりしあの青い春


ぽっかり空いたあの春の
穴だけがだだっ広く
すでに夏が占めていた
かけがえのないものを失ったことの
喪失の闇につつまれて


とっくに春は去っていたのだろうか
もう戻って来ないのだろうか
嗚呼、春


暑い、とにかく暑い