『寝かせてあげる』*No. 2960

・・・・・・・・・・・<詩をつくる 6>

最初はぎこちなく
ゴツゴツしてるんだ
詩の原型 
独りよがりで間違いだらけで 何、これって
こんなの読めたもんじゃない
でも、おいらは慣れたもの
どうぞお座りください
って紙布団の上に座ってもらうんだ
そしておいらとお見合いさ
しばらくして疲れたからここに寝てください
って寝かせてあげるんだ
寝かせてから
さわってあげるんだ
手はこっちを向けたほうがいいよとか
足の置き方はここだな
もっと背中をのばせよ
目はこっちの方を向けて眠りなさい
とかやさしく ときにはつよく
さわるんだ
ゆっくり眠ってからまた次見て
さわってあげる
何もしないでほっておく詩もいっぱいあるけどね
おいらが見染めた詩は絶えずさわってあげるんだ
そうしているうちに
みるみるうちに詩のあなたは
きれいになってくる
ありがとう
おいら好みのあなたになってくれて
でもまだ絶妙な魅力のあるあなたを知らない
おいらのかかわりかたが間違っているのかも
でも 楽しみだよ
いつかはおいらがおどろくような魅惑的な美人に成ってくれるだろうって
そうなりゃ いっしょに寝たいな
詩と一夜をともにして・・・