『里山のスミレ』*No. 2936

嵐のあと
森の中へ入った



あたたかで鳥たちが歌い
のんびりとした木々のささやきの中
泉のそばでぼくは
あちこちに落ちている木々を片付けた
すさまじかった嵐の痕跡
折れて飛んできた木
裂け割れて落ちた木
移動させられた枯れ木
無数の 落ち葉


お化粧直しをして
すっかり片付き
美しさを取り戻した
また新たな始まりの森の中
取り除いた落ち葉から
とても小さくて
隠れているように咲いている
スミレに出逢った


おおいかぶさった葉っぱから
可愛く顔を覗かせる山スミレ


ちいさくて
愛らしく
森の無数の木々の下で
けなげに
咲いているスミレ


恥じらいながら
姿を見せた可憐な花はお礼を言ってくれたような
・・・うつくしい!!


ハート型の葉っぱは
活き生きと
ぼくの胸は早鐘のようにときめき
ドキドキと