『ねむる種』＊No.2847

種はぐっすり眠っています
何十年も何百年も
花実から種になったのがいつだったか
もうすっかり忘れてしまいました
きょうだいたちがどこへいったのかもわかりません
まだまだ眠りつづけます
ときどき
種は夢を見ます
青空につつまれてのびのび枝をのばします
かがやく太陽にあたためられ光を思う存分いただきます
そっとなでてくれる風にゆれ
雨にささやかれ
宿ってくる小鳥たちの音楽を聴きます
森の中でなかまと楽しい語らいや合唱・・・
・・・・・・ああ、早く芽を出したい
でも、今　起きるのはダメです
放射能があふれているからです
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種は夢をどこかにしまって
また深い眠りにつきました
何千年も何万年も
生とし生けるものとの喜びを
分かち合う日をしまいこんで

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