『人・間』*No.2094

線がある
線と言っても
線の間である
間を通り過ぎて行くもの
ときに反発したり
睦まじく二つに重なる場合もある
ときにわずかに光る
それが妙になつかしい
間に生じてよかったと
喜ぶ間もなく
儚む間もなく
すぐ消えてゆく
ぽっぽっ
  ぽっと
だれもかれも
宇宙の闇に吸い込まれるように
人という間は
それを一生と呼んでいる