『ふしだらな部屋』言葉の展覧会2038

aiueokaki2015-01-08

ひとは自分以外入れない
雑然とした
ぼくだけの秘密の部屋
読みかけの本
切り抜きの新聞
落書き綴りの紙片
投げ出したデッサン
枕元に小山のようになって
積み上げられている
・・・
よくみれば部屋のあちこちに紙の山
(昨日あそこはもっと散らかっていたが少し片づけた)
それに
破れたカーテン
点かない天井の蛍光灯
20年前からモノが押し込まれたままの押し入れ
・・・
他の部屋は綺麗に片付いているのに
この部屋だけは猥雑でダークサイト
万年床の布団も敷いているが
だがしかし、これだけは
起きるとすぐ巻くってたたまれる
・・・
この部屋は効率ってのはない
あるのはただ無様に散らかっている
鉛筆の書き殴りだとか活字だとかで黒っぽくなった紙片
それらが綴じられた厚いや薄いものである
その他にもこの前に切った節大の竹も転がっている
所どころどころ生活空間が垣間見られる
水の入ったペットボトル
もう役に立たず邪魔なのであげると言われてもらったアナログテレビ
愛用している蛍光灯スタンド
物置になってしまった机
・・・
とにかく足の踏み場も無くなってきて
歩くのが困難で
住む煩わしさが漂っている
便利さとは正反対の部屋
だが、
ぼくにとっては快適で面白い
・・・
埋もれた紙片をかき分けると
底にあったのが、おや、海中
いわしが群れをなして泳いでいる
おやおや、何かの形になった
全体がまるくなって
生まれる前のような
死んだ後のような
よく見ようとさらに紙片を掻き分けると
海は消えてしまった
この部屋はときどき
どこかの場所や何かに変容する
しかし部屋は相変わらず
ふしだらに
雑然としたままだ
そろそろ大々的に片づけなければならない
と思って
また1年が過ぎた