『落し物』言葉の展覧会1999

こんなに忙しくなるなんて
どうかしている
走りまくったこの1年
もう師走
突然覗いた寒い冬に戸惑いながら
生き急いだ若き女(ひと)の作品と写真を見る
あたたかく強い芯を持ち
一筋の志を貫きとおして老い
慎ましやかに逝った気骨の二人にこうべを垂れ
外を歩けば
秋の落し物数々
無数に転がるどんぐりを眺めて
赤や黄色の葉っぱを
拾う
せめてもの・・・
夕焼雲の下
赤く染まったかのような大地
ひとときの
胸騒ぎ