『のちの想いに』言葉の展覧会1799

夢はどうどうめぐりをする
淀んだ川の流れは未だぐるぐる回ったまま
息を吹き返して
眠りから覚めた山は
また若返り透明な新しい芽や葉を吹き出している
鳥たちが異性を求めて鳴き交わす
ーーが、語り続けてきたかれは
少し黙って項垂れる
いつのまにか草草はぐんと伸び
可憐な花を咲かせる
もう鳥たちは青空を飛び交っている
夢は踏みとどまり
日に日に変化を見せる木々
いよいよ青くなる空の中で
淡白い月を眺めている