『分子の夢』言葉の展覧会1685

この花は花であるけれど花ではない
この猫は猫ではあるけれど猫ではない
この蟻は蟻ではあるけれど蟻ではない
この水は水ではあるけれど水ではない
この私は私ではあるけれど私ではない



千年後の時間の経過を観る
生命が流れて
百万年後の



私は蟻になり猫になり花になる



しかしいま 私は私
貧相だけど
一度きりのかけがえのない私
分子は私という夢を見る



川の水は流れ
空はあまりにも青く
浮かぶ雲は白過ぎる
私は両手をいっぱい広げる
花のいい香りがただよっている