『蚊よ』言葉の展覧会1684

aiueokaki2013-09-22

蚊よ
子を産むためだからといって
そんなに血を吸いに来ないでおくれ
もう手足顔が痒くてかゆくて
そんなにやって来るとぼくの心ない手が
おまえを叩き潰してしまう
しかし
おまえはすばしっこい
たいてい逃がしてしまう



ところで
「ぼくはおまえのような
蚊ではないだろうか
それとも おまえがぼくのような
人ではないか」
ウィリアム・ブレイクは言う



「ぼくは喰らい
飲んでは歌う
目に見えぬ手が
ぼくの翼を払うまで」



生命は生命を食し
ブーンブーンと謳歌している
蚊よ
虫の文よ
いつか見知らぬ大きな手で
蚊のぼくを叩き潰されても
おかしくない



「さらばぼくは
幸福な蚊である
ぼくが喜んでいるとも
悲しんでいるとも」




ウィリアム・ブレイクの詩「蠅よ」を読んでいたく感動したので、彼の詩を取り入れて「蚊よ」を作ってみた。最近、雌蚊が凶暴になって隙あらば血を吸いに来る(何人かでいるときも、ぼくの方がねらわれる。O型でアルコールをたんまりと貯め込んでいる血だから)。おかげで、1日に三つも四っつもふくらみができ、もう痒くてかゆくてたまらない。ああ、今も掻きむしりながらこの詩を書いている。