『つるぎの山』言葉の展覧会1681
一
あなたはそっと手をさしのべてくれた
険しい山道
汗を流しハァハァ言いながらわたしは登る
あなたと手をとりあって
あの日のことを思い出そうとしても
思いだせない
だけどあなたが手をさしのべてくれたから
わたしはいま あなたと山を登っている
つるぎの山はここに こうして在るけれど
この星、大地のたからもの
頂上はまだはるか先だけど
あなたの手に わたしの手を ララララララ ララララララ
二
あなたは子どものようにはしゃいで水と戯れている
春の谷川の河原
水をすくったわたしはあなたにかける
あなたは笑ってにげる わたしは笑う
振り向くと長い年月
つらかっただろうね
狭くて暗い部屋の中にあったあなたの青春
わたしはいま あなたと幸せに過ごしている
つるぎの谷間に川は流れる 長い年月ゆったりと流れる
広いひろい海まで
喜びはまだはるか先だけど
わたしの手に あなたの手を ララララララ ララララララ
三
あなたは手をにぎり引いてくれた
木漏れ日の山道
疲れはてたわたしの手を強くやさしく
長い長いたたかいの日々
よくやったねあなた
わたしはいま あなたと山を登っている
えん罪をつくらないくににするために
あなたとわたしは一生をささげます
願い事はまだはるか先だけど
あなたの手に わたしの手を ララララララ ララララララ
※てるみさんに石川一雄さんのことやその妻の早智子さんのことをいろいろ聞いて、ぼくも詞をつくった。ラブソングである。つるぎの山は早智子さんのふるさと(四国)にある剣山のことだ。(一)番は、一雄さんの立場から、(二)番は、早智子さんの立場から、(三)は二人の立場から想像をめぐらせた。冤罪が明らかなのにどうして狭山事件は解決できないんだろう。
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