『元気やね』言葉の展覧会1680

            元気やね         岸本てるみ  

     
  一 
あんたいつもひょこひょこして
歩けないのに
こんなときには 元気やね
足の腫れも消えてしまうって
元気やね
わたしには やらんなあかんことがあるんで
元気出さんなんって
足引き摺りながら
元気やね
  二
あんた、足見たらぶくぶくしてる
よく歩いて
こんなときには 元気やね
足の腫れも消えてしまうって
元気やね
わたしは 歩いてデモしてえらいさんの方向いて
石川さん帰してって
足引きづりながら
元気やね
  三
あんた体ぐらぐらしながら
よう歩いて
こんなときには 元気やね
足の腫れも消えてしまうって
元気やね
わたし、もうからだガタガタやけど
最後の力ふりしぼって叫ぶんや (「石川さん帰してー」)
   からだふるわせながら
元気やね

元気やね 元気やね 元気やね




※識字学級で、てるみさんが詞をつくった。今じゃ友でもある無実の石川さんを思っての言葉だ。狭山事件の再審を実現するためにてるみさんは身を粉にして叫んでいる。
この思いが歌になるといいなあ。