『良さを見抜く』 言葉の展覧会1219
何かあれば
悪いところにばかり目が行って
良いところがあっても見ようとしない
というか見えない
情けないおいらがいた
すっかり忘れていた
ほんの少しの良いところが見えなかった
狭く閉じてしまった愚かなおいら
朽ちたものの良さ
さびついたものの良さ
ボケたものの良さ
狂ったものの良さ
どん尻の良さ
悲運の良さ
不幸の良さ
病の良さ
貧の良さ
これらほんの少しの良さを探し
良さを見つけ
良さをつくり
良さを見抜く
どんな嫌なものにでも良さはある
大地に海に人間に営みにつながっている
日々の営みのなかに
いくらでもころがっている小さな小さな
まだ見えぬ良さ
* *
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