『そ・ら・ま・ち』 言葉の展覧会1189

aiueokaki2011-12-07

山の彼方の
空の中
そこにちいさな
小さな町がある
誰にも見えない町がある
そこへ行けば
みんな幸せになるという
でも誰も行けやしない
この世はあまりにも汚れてる
だからこころあるひとは
かなしいときや
くるしいときは呟くんだ
そ・ら・ま・ち
って
そうすればやってくるんだ
幸せの使者が
見えないけれどね  




※一昨日、昨日と、紙を刷って、折って、糊づけして、綴じて、裁断して、1冊2冊と冊子を作っている。手作り詩誌『空町』(No1)だ。もう約束期限が過ぎている。相棒の発行人・ワタナベさんにすまないと思い、ここ2,3日かかりっきり。すでに20冊は作った。あと目標50冊!!




]※※この詩誌『空町』のなかに、高校生である西尾光暉さんのとてもいい詩がある。
       バウムクーヘン        西尾光暉  



どこをとっても同じ顔
目が回るほど悩んでいる
大人になれば笑顔になれると
たいして生きてもいないのに
無理して大人を気取り
バカに年輪を刻む
甘い奴  
<ぐるぐるぐるぐる>
頭の中では
安値っぽい悲しみが
同じリズムで流れ続けている
<ぐるぐるぐるぐる>



僕には穴があいている
生まれたときからあいている
大切なものを失くした気がして
僕は何かを探し続ける
僕が生まれる前のことを
なぜだか懐かしく思いながら
何かを探して
輪廻の中をかけずりまわる
それでも何一つ乱さずに
行儀よく並ぶ生の跡



そのままいつかは食べられる
夢も希望も一口で
そうしてまた誰かの中から
なぁんにも知らずに生まれ出る
うずまくいのちの流れを巡る



*************   

 
     雑草叩き           西尾光暉



人間なんにかに負けるものか
薬を撒かれても引っこぬかれても
生えてやるぞ
生えてやるぞ
これは戦いだ
生えてやるぞ
生えてやるぞ
人間には厄介払いしかされてないけど
俺達だって、
誰も見ていないところで花咲かせて、
仲間増やして
ちゃあんと仕事して生きてるんだ
誰に文句なんか言わせるものか



生えてやるぞ
生えてやるぞ