『朝顔』 言葉の展覧会1150

aiueokaki2011-08-29

しっとりと露にうるおい
朝の光を浴びて
白く
真っ白に
純白に咲いている
朝顔



清純さの向こうに
すっきり青空が見える
雲はゆっくりうごいている
精一杯蝉は鳴く
大地を信じているのだ



うなだれ しぼんで もうだめだとおもわれていた花びらが
暑い晩夏の朝によみがえった
便利だってことはそんなによくなかった



いくら嘆いても
いくら失ったものを数えても
こうなってしまったんだから



でも今のままじゃだめだ
今のままじゃ
朝顔



つるは手を伸ばし
願いをこめて
つよく巻きついている
緑葉のうえのはかない地球
かすかにゆれ
光っている



約束なんだよ
謙虚に  
再生を繰り返す白い花



可能性は望むのなら
出てくる



つつましやかに
宇宙とむすびついている
朝顔