現場の言葉は
ズキン ドシリと
重く重く響く
直接的に
現実そのものから発しているから
現場にいない言葉は
驚いても嘆いても応援しても
呟いても怒っても悲しんでも
あまり響かない
どころか頭上を素通りする
そんな言葉はなんにもならない
隔たり!
現場と遠隔地の
断絶!
内からの言葉と外からの言葉の
死に神におまえは関係ないと突き飛ばされ
うしろめたさを引き摺りながら断絶を埋めていく
情けなくも高揚した言葉を使って
おろおろと断絶を埋めていく
何年か何十年か(あるいは何百年か)後の
未来にしか
その答えはない
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※高橋源一郎「日本文学盛衰史ー戦後文学篇19」(群像7月号)を読んで